PDFアクセシビリティ診断で自動判定できること・できないこと
自動診断の得意なこと
自動診断は、PDFの内部構造を機械的に検査し、設定の有無や構造の問題を全ページにわたって検出します。代表的な項目は次のとおりです。
- タグ付きPDFかどうか
- 文書タイトル・言語設定の有無
- 画像に代替テキストが設定されているか
- 表にヘッダーセルが設定されているか
- フォントが埋め込まれているか
- しおり(ブックマーク)の有無
これらは「設定されているか、いないか」を機械的に判定できるため、ページ数が多い文書でも短時間で網羅的に確認できます。人手では現実的でない規模の文書ほど、自動診断の効果は大きくなります。
自動では判定できないこと
一方、内容の適切さは機械では判断できません。
| 項目 | 自動で分かること | 人の確認が必要なこと |
|---|---|---|
| 代替テキスト | 設定の有無 | 内容が画像を適切に説明しているか |
| 読み上げ順序 | 順序情報の有無 | 文脈として自然な順序か |
| 見出し | タグの有無・階層 | 見出し文言が内容を表しているか |
| 色の使い方 | ─ | 色だけに依存した表現が無いか |
たとえば、すべての画像に「画像」という代替テキストが設定されていれば、自動診断上は「設定あり」です。しかしそれが閲覧者の役に立たないことは明らかで、この判断ができるのは人だけです。
「要目視確認」という区分
このため、当サービスの診断結果は問題を次の3つに区分しています。
- 適合 ── 自動診断上、条件を満たしている項目
- 不適合 ── 明確な問題が検出された項目
- 要目視確認 ── 設定は存在するが、内容の適切さは人の確認が必要な項目
自動診断は「完全な適合の証明」ではなく、「機械的に検出できる問題の網羅的な洗い出し」と「人が確認すべき箇所の絞り込み」を担うものです。この前提を共有しておくと、診断結果を修正作業や社内説明にそのまま活かせます。
まとめ
- 自動診断は設定の有無・構造の問題を網羅的に検出できる
- 内容の適切さの判断には人の目が必要
- 「要目視確認」の提示により、人が確認すべき箇所を絞り込める
まずは対象PDFの現状を把握するところから始めてみてください。