InDesignで代替テキストを設定する方法

画像に代替テキストがないPDFは、スクリーンリーダーには「図」としか読まれません。グラフも写真も、内容はまったく伝わりません。 InDesignでは書き出し前に代替テキストを設定でき、修正のたびにAcrobatで付け直す手間を省けます。この記事では設定手順と、「書くべき画像」「無視させるべき画像」の判断まで解説します。

この記事で分かること

  • オブジェクト書き出しオプションでの設定手順
  • 代替テキストのソース(カスタム/XMP)の使い分け
  • 装飾画像をアーティファクトにする方法
  • 代替テキストの文章の書き方の基本

代替テキストはPDFのどこに入るか

InDesignで設定した代替テキストは、書き出したPDFのFigureタグの代替テキスト属性(/Alt) に入ります。スクリーンリーダーは画像まで読み進めると、この文字列を読み上げます。

そのため前提として、タグ付きPDFとして書き出すこと(「タグ付きPDFを作成」オン)が必要です。タグのないPDFでは、設定した代替テキストは活きません。

基本手順: オブジェクト書き出しオプション

  1. 画像(またはグループ)を選択します。
  2. 「オブジェクト」メニューから「オブジェクト書き出しオプション」を開きます。
  3. 「代替テキスト」タブで、ソースに「カスタム」を選び、テキストを入力します。
  4. ダイアログは開いたまま次の画像を選択できるので、順に設定していきます。

設定はオブジェクトに保存されるため、書き出しのたびに設定し直す必要はありません。

カスタムとXMPの使い分け

代替テキストのソースは複数から選べます。

ソース使いどころ
カスタム誌面の文脈に合わせて書く。基本はこれ
XMP(説明/タイトル等)画像ファイル自体のメタデータを流用。写真ライブラリ運用で説明が整備済みの場合

迷ったらカスタムです。代替テキストは「その誌面の文脈で何を伝えるか」で決まるため、画像ファイル固有の説明が常に適切とは限りません。

装飾画像は「読み上げ対象外」にする

すべての画像に代替テキストが必要なわけではありません。情報を持たない装飾(飾り罫、背景テクスチャ、雰囲気写真など)は、読み上げ対象外にするのが正解です。

  1. 対象オブジェクトを選択し、「オブジェクト書き出しオプション」を開きます。
  2. 「タグ付きPDF」タブで、タグを「アーティファクト」に設定します。

これで書き出し時に装飾として扱われ、スクリーンリーダーは読み飛ばします。「装飾なのに alt を空にできず『飾り罫』などと書いてしまう」のは典型的な誤りです。説明するのではなく、無視させるのが装飾の扱いです。

書くか無視させるかの判断フロー

  1. その画像がなくなると、伝わる情報が減るか? → 減らないならアーティファクト
  2. 画像の内容が本文や表ですでに説明されているか? → されているなら短い代替テキスト(または本文参照)
  3. グラフ・図解か? → 読み取ってほしい結論を書く(例:「売上高の推移。2021年度から4期連続で増加し、2024年度は1,200億円」)
  4. 写真か? → 文脈上の役割を書く(例:「新工場の外観」)。カメラ設定や色の描写は不要

グループ・複合図版の注意点

  • 複数オブジェクトで構成された図版(図+引き出し線+ラベルなど)は、グループ化してグループに1つの代替テキストを設定するのが基本です。バラバラのまま書き出すと、断片が個別に読まれます。
  • 背景画像の上に本文テキストが載るデザインでは、背景をアーティファクトにし、テキストは通常どおりタグ付けされることを確認します。
  • アンカー付きオブジェクトは、読み上げ順にも影響します(→ 「InDesignで読み上げ順を整える方法」)。

書き出し後の確認

  1. 書き出したPDFをAcrobatで開き、タグパネルでFigureタグを選択して代替テキストを確認します。
  2. 可能ならスクリーンリーダー(NVDAなど)で該当ページを聞き、文脈に合っているか確かめます。

よくある失敗

  • 全画像に「画像」「写真」など同じ文言を入れる(チェックツールは通るが、読者には無意味)
  • 画像ファイル名(IMG_1234.jpg)がそのまま代替テキストに入っている
  • 装飾に長い説明を書いてしまい、読み上げが冗長になる
  • グラフに「グラフ」とだけ書き、数値・傾向を伝えない

次の一歩


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